近年、ワニや蛇などが公園や道端で見つかる大騒動となり、棄てられたり逃げ出したりしたペットだった、という報道に接することが多くなった。
外来種の進入はどうすれば防げるのか
以前は犬や猫、金魚、そしてせいぜいウサギ程度であったペットも現在はバラエティーに富んでいるということだろうが、その一方で、外来種と呼ばれる本来その地域にいないはずの生物により、元からいた在来種の生活が脅かされ、絶滅の危機に瀕しているものも少なくない。
先週まで名古屋で行われていた生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)で採択された今後の生態系保全目標「愛知ターゲット」の中でも、外来種の侵入防止目標が示されているほどに切迫した問題である。
人類発祥の地アフリカにあり、かつて「ダーウィンの箱庭」と呼ばれるほどに種の多様性に富んでいたヴィクトリア湖でも、外来種の巨大肉食魚ナイルパーチが侵入後瞬く間に自らの独擅場へと変えてしまった。
豊富なナイルパーチは欧米へと高級食材として送られ、この地の脆弱な経済を潤す一大産業となっている。
日本でもスズキの代用として寿司ネタにもなっており、知らない間に「白身の魚」として食べていることも多いポピュラーな存在だ。
政情不安が続くコンゴは絶滅危惧種のマウンテンゴリラの生息地
しかしその一方で、輸送に使われる飛行機は往路では武器・弾薬を満載してやって来て、西方のコンゴ民主共和国などの戦闘地域へと送られているとの指摘がドキュメンタリー映画『ダーウィンの悪夢』(2004)にある。
建国以来政情不安が日常化しているコンゴのルワンダ国境周辺には、今や絶滅危惧種となっているマウンテンゴリラが生息している。
同じ霊長類で人類に近い類人猿であることから、『愛は霧のかなたに』(1988)で半生が描かれた動物学者ダイアン・フォッシーのような人々のその地に根ざした研究は、我々人類の歩んできた道を探るためには重要なものだ。
コンゴには、ボノボという名の最も進化した類人猿、つまり人類により近い猿もいるのだが、貧困に喘ぐ現地住民がお金のため、そして食用として捕まえたり、致死性の高い伝染病エボラ熱の犠牲となり、激減していることはゴリラと同様である。