先日、友人に誘われて中国の古典である「大学」の素読会に参加した。
素読とはその文章を声に出して読むことであり、最終的には文章を暗記して言えるようになるまで繰り返す日本伝統の教育法である。
司会者が素読についての説明を行った後、司会者の発声の後に続いて一文ずつ素読を行う。そして、小学校1~3年生の子供たち3人による素読のデモンストレーションが行われた。
「その国を治めんと欲する者は、先ずその家をととのう。その家をととのえんと欲する者は、先ずその身を修む。・・・」
ビジネスにも通じる「大学」の一節
国を治めるとは、人として正しい姿とは何かを説く「大学」を声高らかに読み上げる子供たちの姿に私は見入ってしまうと同時に背筋を正された。
会場を見回すと、特に年配の方は、眼鏡を取り、涙を拭う方が何人もいらっしゃった。こういった子供たちの姿に美しさを覚えるのも日本人としてのDNAなのだろうか。
「その国を治めんと欲する者は、先ずその家をととのう。その家をととのえんと欲する者は、先ずその身を修む」
「大学」のこの一節は経営・ビジネスにも通ずるところがある。
ビジネスのパフォーマンスを考えるうえで、家族の状況というのは極めて大きい。
私は経営コンサルタント、心理カウンセラーとして、個人企業から大企業まで、経営者の方のご相談に応じているが、企業のエネルギーはリーダーである経営者のエネルギーに比例する傾向がある。
特に規模の小さい企業であればその傾向はより顕著になる。これは経営者のみならず、部署やチームのリーダーにも同様のことが言える。