東京都中央卸売市場築地市場が、東京都江東区豊洲に新設される豊洲市場に移転されるまで残り1年を切った。
2016年11月7日に豊洲市場が開場する。1935年に開場された築地市場は80余年で、その役割を終えることになる。
しかし、豊洲市場に移動する場内市場関係者(卸売業者など)、残る築地場外市場の関係者はともに大きな不安を抱えている。果たして豊洲市場は無事に開場され、その機能を発揮することができるのか。
移転にあたって約50業者が廃業
東京都中央卸売市場の「築地市場概要」によると、水産物を扱う場内関係者には、卸売業者7社、仲卸業者622社、売買参加者292人、買出人約1万人がいる。この中で、市場売買の中心をなす仲卸業者は、その多くが零細事業者だ。
同じく「仲卸業者の現状」によると、売上高1億円未満では57.9%が経常赤字で、68.5%が債務超過となっている。売上高3億円未満でも42.7%が経常赤字で、52.6%が債務超過だ。
仲卸業者の半数以上(400社近く)が売上高3億円未満であり、その半数以上が債務超過となっているということだ。