2004年、中国で開かれたサッカーの国際大会「AFCアジアカップ2004」で、日本チームの試合の前に日本国歌が演奏されたとき、中国の若者は一斉にブーイングを発した。このような無礼な言動をテレビで見た日本人は当然のことながら中国のことを嫌いになる。
日本人が我が眼を疑ったのはこれだけではない。中国の若者たちは、日本の総理大臣の靖国神社参拝と尖閣諸島の国有化に抗議するため、中国に進出している日系のスーパーと工場を破壊してしまった。
日本のテレビに映った中国人若者はまるで暴徒そのものであった。悪いのは暴れている若者だけではない。若者の暴力行為を野放しにしているのは政府である。外交部(外務省)のスポークスマンは、毎回「中国の若者を刺激したのは日本政府であり、その全責任は日本にある」と開き直る。中国政府の理屈では、若者が刺激されれば暴力を振るっても仕方ないといわんばかりである。多くの日本人は、中国という国は本当に厄介な国であり、できれば付き合いたくないと考えたに違いない。
ある世論調査によると、日本人の9割は中国のことが嫌いだと言われている。同様に、中国人の多数も日本のことが好きではないとの結果も出ている。
一方、このような世論調査の結果を否定する意見も散見される。日本製品の不買を呼びかけた中国人の若者はいまや大挙して日本に観光にやって来て、電気炊飯器など大量の日本製品を買って帰る。中国人観光客にインタビューしてみると、「政治は政治、我々は個人だから政治と関係ない」と答える。なるほど、あのときの反日デモはある種の政治運動だったということだ。