「新情勢下の党の軍事力強化目標をしっかりと押さえ、部隊の革命化、近代化、正規化を全面的に強化し、空と宇宙を統合し、攻撃と防御を兼ね備えた強大な人民空軍の構築を加速して、中国の夢、軍事力強化の夢の実現を揺るぎない力で支えなければならない」

 これは、2014年4月、習近平主席が空軍某機関を訪問した時の言葉である。

 第18回党大会において中央軍事委員会副主席に初めて空軍出身の許其亮上将が任命されたのも、現在から振り返れば、軍の改革を推進する上で空軍が重要な役割を担うことを暗示していた。

 中国人民解放軍が目指す改革の方向は、情報化条件下の局地戦争を戦い勝利することである。それは米軍が2001年の9.11テロ以降戦ってきたアフガンやイラクにおける戦闘において、無人偵察機や人工衛星からの情報を駆使し、ピンポイントで敵の拠点に打撃を加える軍事態勢に倣ったものと理解し得る。換言すれば、中国版の「RMA(Revolution in Military Affairs)」(軍事における革命)を実現しようとしていると言えるだろう。

宇宙でも米国に対抗する中国空軍

 人民解放軍における空軍の役割は宇宙にも及ぶ。冒頭の習近平の言葉がそれを雄弁に物語っている。例えば有人衛星「神舟」に搭乗した中国の宇宙飛行士は、女性を含めすべて空軍のパイロット出身である。宇宙は中国にとって軍事的フロンティアであると同時に、米国に対抗し軍の作戦能力を高める優先分野でもある。

 中国が軍事面で宇宙に活動の場を広げるのは、2つの意味がある。1つは、他を圧倒する優位にある米国へのキャッチアップであり、もう1つは、米国の宇宙利用への過度な依存状況を米国の「アキレス腱」と捉え、それに対する攻撃能力を保持するためである。

 具体的には、中国が地球周回軌道に多数の軍事衛星を打ち上げていることが前者であり、2007年1月に行われた衛星破壊実験が後者である。