「解党」が立党の原点だったみんなの党
みんなの党の幹事長でもあり、党創立時からのメンバーであった江田憲司衆議院議員が12月9日、離党会見を行った。江田氏とともに7人の衆議院議員、6人の参議院議員も離党した。総勢14人である。ここにすでに離党している柿沢未途衆議院議員も加わると言われており、総勢15人で新党を立ち上げる予定のようだ。
衆参合わせて35人を擁していたみんなの党は21人に激減し、まさに二分されてしまった。
江田氏は会見で、次のように述べた。
「我々の離党の理由はただ一点。『結党の原点に戻る』ということです。自民党の「一強多弱」と言われる今の政治状況の中で、野党に求められる最大の使命は、政治理念や基本政策の一致を前提に野党勢力を結集し、自民党に対抗しうる、政権交代可能な一大勢力をつくっていくことです。それを改めて痛感したのが、今回の特定秘密保護法案をめぐる与党・自民党の『数の暴力』、強権的な国会運営でした。このままでは「民主主義」は死んでしまいます」
「にもかかわらず、今のみんなの党は、その原点を忘れ、変わり果ててしまいました。 『政界再編』を原点に持つ政党が、『政党ブロック』という構想を唯一の方針として自ら再編の選択肢を狭める。党の存続自体が自己目的化し、最近では自民党に擦り寄り、あわよくば与党入りをも指向(している)」
みんなの党は、党を立ち上げた時から「政界再編」を掲げていた珍しい政党であった。「政界再編」ということは、現在の党はなくなるということである。つまり、いずれは解党することを前提にしていたということだ。その意味では、江田氏の指摘は正しい。
問題は、この離党が政界にどのような波及効果を及ぼすかだ。
東国原氏離党と日本維新の会分裂の可能性
江田氏は、早速、民主党の細野豪志前幹事長や日本維新の会の松野頼久国会議員団幹事長らとの勉強会を立ち上げた。勉強会といっても、要するに政界再編に向けたすり合わせ、下準備をしていこうということであろう。