韓国は今財界10位の東洋グループが無理な経営拡大により事実上破綻、3位のSKグループは会長と副会長が兄弟げんかの末、どちらもお縄となり財界が大混乱。政界では現役の国会議員がスパイ容疑で逮捕されるという稀代のスパイ事件が発覚するなど大きな事件が相次いでいる。一方で取り締まる側の法曹界にも嵐が吹きつけている。
朝鮮日報が検察総長の隠し子を暴露
発端は、9月6日付の朝刊で朝鮮日報が「チェ・ドンウク検察総長が婚外子を隠した」と報道したことによる。
記事によると、「チェ総長が十数年間1人の女性と婚外関係を維持しながら、その女性との間に息子(11)をもうけたことを隠してきた」という。これに対し、チェ総長は「報道内容は事実無根」と、隠し子疑惑を全面否定した。
しかし、同月9日付の朝鮮日報は、チェ総長の隠し子として名指しされているチェ君の学校記録に「父親:チェ・ドンウク」という記載事項があると報道した。
これに対し、チェ総長は「遺伝子検査をする心づもりがある」とし、朝鮮日報に対しては訂正報道を請求すると迎え撃った。
また、10日には、チェ総長の隠し子の母親とされるイムさん(チェ氏の内縁の妻と名指しされた人物)が、朝鮮日報とハンギョレ新聞に宛てて次のような弁明の手紙を送った。
「自分の息子はチェ総長とは無関係だ。個人的な事情により、シングルマザーではあるが、子供が小学生になって、父親をチェ・ドンウク総長の名前で記載しただけ」で、「子供がチェ・ドンウク総長のような人になればいいと願い、店を経営しながら周りの人たちに無視されないために名前を勝手にお借りした」
また、「もし、子供の父親がチェ・ドンウク総長ならば堂々と養育費や経済的な援助を頼んだはず」と付け加えた。
12日、チェ総長は朝鮮日報に向けて「訂正報道請求訴訟」を提起すると発表した。だが、13日法務部(ファン・ギョアン長官)はチェ総長に対する監察に着手すると発表した。現職検察総長に対する前代未聞の監察指示である。
これを聞いて、観念したのかチェ総長は、大検察庁のスポークスマンを通じて、辞意を表明した。チェ総長が総長に就任してから5カ月、「隠し子疑惑」報道されてから、1週間後のことであった。