来年9月のスウェーデン総選挙まで、あと1年余に迫った。
現在のスウェーデン福祉国家の基礎を築いた社会民主党(以下、社民党)が、7年前の選挙で政権の座を失った時には、日本で自民党が政権交代した時と同じくらいの衝撃があったのではないかと言える。それまで社民党は国民の大きな信頼を勝ち取っており、長期にわたって権力の座をほぼ独占していた。
負け続きの社民党、政権奪還へ3度目の挑戦
筆者自身も社民党の座は安泰であると信じて疑わなかったので、選挙の際には海賊党に投票しかけて思い直し、高齢者党に入れた。この国の至れり尽くせりの福祉社会に感銘を受けていたので、日本では考えられなかったことだが、すっかり「体制派」になっていたのだ。そして選挙結果が判明して後、社民党に投票しなかった自分をしばらく責めた。
こうして、2006年の総選挙で社民党は負けた。首相で党首だったヨーラン・ペーション氏は、ほぼ大勢が決した真夜中にテレビに登場して敗北宣言をし、党首をも辞任すると発表した。その後同党は、新党首モナ・サリーン氏を挙げて巻き返しを図ったが、何とその4年後の選挙でも負けたのだ。
社民党は2期連続の敗北を喫したということだ。また議席数も戦後最低だった。サリーン氏も敗北の責任を取って党首を辞任した。
そして今、ステファン・ロフヴェン氏を党首に、この雪辱を果たすべく社民党は3度目の挑戦に向けて、エンジンを始動させたところだ。
2013年6月に実施された世論調査による、国政に議席を持つ8党の支持率は右の図の通り。
現在は、穏健党を中心とした保守4党(穏健党、自由党、キリスト教民主党、中央党)の中道右派連合が政権を握っている。
巻き返しを図るのは、社会民主党、左翼党、緑の党の3党による赤緑連合だ。
アルメダーレン政治ウイーク
毎年この時期、6月末から7月にかけての1週間、スウェーデン・ゴットランド島では「アルメダーレン政治ウイーク」が開催される。
ご存じの方も多いかもしれないのだが、この歴史について簡単に説明すると、現職中に暗殺された故オロフ・パルメ首相の在職時、1968年に始まった政治の集会だ。