ビジネスツールとして急速に活用が進むソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)。 食品業界にも、ツイッターやフェイスブックなどで企業が消費者と直接つながろうとする動きが活発化している。

 食品企業の狙いを探ると、ロイヤルカスタマーづくり、新商品などの情報発信、販促やマーケティングのツールとしての活用などが見えてきた。今回は食品企業のSNS活用の最前線に迫り、課題や展望を考察してみたい。

「SNS活用度数」上位10社のうち3社が食品関係

企業のソーシャルメディア活用度ランキング
(出所:アジャイルメディア・ネットワーク「ブランドチャート」より抜粋)

 市場調社会社ICT総研の「SNS利用動向・広告活用状況に関する調査」によると、2011年12月時点の国内ネットユーザーは9510万人。SNSの利用者は4289万人。1年前と比較して約1.2倍だ。毎月50万人増加している計算になる。2014年末には1.3倍の5643万人に達するという予測もある。

 右の図は、情報提供サービスを行っているアジャイルメディア・ネットワークの「ブランドチャート」。企業のSNSの活用状況をまとめたものだ。ツイッター、フェイスブック、mixi、GREE、Mobage、ブログ、YouTube、ニコニコ動画/生放送、Ustream、Google+、Pinterest、LINEといった12メディアを対象に、フォロワー数やファン数などをもとに「活用度数」を出している。これによると、10位内に食品企業が2社、小売が1社ランクインしている。

読ませる内容で「いいね!」1790万人

 企業がSNSに力を入れるのは、消費者に商品や店舗の情報を定期的に提供することにより、実際に店に足を運んでもらったり、商品を購入してもらったりすることを期待しているからだ。

 特に食品企業は、商品の安全安心や環境への配慮をアピールしたり、季節に合わせた商品情報を発信したりすることで、繰り返し商品を購入してくれるロイヤルカスタマーづくりを効果的に進めている。