前回のリトアニアブースや、いままで紹介したFirefoxOSブースやインモビなどが立ち並ぶ、モバイル・ワールド・コングレスのホール8。

 ほかにもUbuntu、アプリプラットフォームなどなど、新しいテクノロジーに集まる多様な人々。まったく人の往来が絶えない様子は、築地の場外市場のようである。

MWCの開催地バルセロナの旧市街で古い絵葉書を売るお店。1枚0.3ユーロから(筆者撮影、以下同)
 

シャレオツな韓国ブース

 そのホール8の入口からまっすぐに伸びるメインストリートを進んだ右脇に、突如ゲームキャラクターで囲まれたブースがあった。

 近づくと、ブースの外で初老の男性がフリーペーパーを配っている。ポップカルチャーを紹介する「CulTOUR KOREA」というアプリの宣伝らしい。

 ずいぶん他のブースと様子が違う。面白い。

 どんな企業なのかと思ったら、「韓国」の企業を紹介するブースだった。さっそく、中に足を踏み入れる。すると、スリムパンツを履きこなす女性や、サイドを刈り上げたオシャレな髪型の男性がたくさんいる。

 紹介されているサービスはすべてコンテンツ系。アニメ・ゲーム制作や、さきほどのアプリなど。

 「カルチャー紹介のアプリ?」

 何が新しいの? と聞くと、特に変わりばえのない普通の内容。それでも、バルセロナまで来てしまう。そんな「韓国」ブース。CESでも日本の見本市でも、韓国ブースはよくお目にかかる。サムスンやLGのきらびやかな感じと違っていつも面白い。

 そこで説明している人たちも、大手家電メーカーと全然違う。当然ながら、同じ韓国人でもいろいろな人がいる。実際に話をすると、その国の文化の多様性を実感する。

 ともかく、今年のバルセロナの韓国ブースは、なるほど、これが国家でカルチャーを輸出する姿勢なのか、とちょっと驚いた。