今年も恒例のフォーブス誌ビリオネアーランキングが発表された。今年の1位は4年連続でメキシコの通信会社を保有する実業家カルロス・スリム氏(資産総額730億ドル)、2位が米マイクロソフト設立者のビル・ゲイツ氏(同670億ドル)であった。
あとは26位にランクされたサウジアラビアのアルワリード王子が同氏の資産評価(200億ドル)が不当に低いとクレームを申し立て、今後フォーブス誌の調査に協力しないことを明らかにしたことが今年の話題であろうか。
米国がダントツトップ、ロシア人は111人、日本人22人
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2013年のリストにランキングされたビリオネアーは1426人、国別では米国が442人でトップ、中国は122人、ロシアは111人、日本は22人である。
ロシアではリーマン・ショック以前にはロシア人ビリオネアーが幅を利かせ、ロシア国内メディアもこの話題を大きく取り上げたものだが、ここ数年はいまひとつ盛り上がりを欠く話題となっている。
今年のロシアのトップにランキングされたのは資産総額176億ドルでウズベキスタン出身の実業家アリシェル・ウスマノフ氏(60歳)である。彼はソビエト時代はウズベキスタンのKGBの職員であった。
しかし多くのオリガルヒのように90年代の混乱期に巨大な財を築いたわけではなく、中小金融機関の顧問を務めるなど裏方に徹していたようである。ビジネスで頭角を現したのは比較的遅く、2000年代に入ってガスプロムのビャヒレフ社長のアドバイザーを務めたあたりからである。
現在はガスプロムとつながりの深い鉄鋼コンツェルンMetalloinvest、国内2位の携帯電話会社Megafonなどの大企業の主要株主である。またIT投資にも積極的でロンドン市場に上場しているMail.ru(前 Digital Sky Technology)を通じてFecebookやZyngaに上場前から投資を行っているほか、ロシア国内の大手SNSであるVkontakteやOdnoklassnikiのオーナーでもある。
ビジネス以外では国内主要経済紙コメルサント、複数の国内テレビ放送局に加え、ブログ系ニュースサイトとして人気の高いLivejournalやロシア国内のインターネットニュースサイトGazeta.ruも保有するなどメディア界でも支配力も強めている様子がうかがえる。
さらには英サッカーチームのアーセナルの主要株主でもあり、ウィキペディアによると国際フェンシング連盟の会長も務めているという多彩な人物である。