現在、スウェーデンの高校と夕方から始まる成人学校の2校で日本語を教えている。

 「スウェーデンは移民のスウェーデン人化に成功している」かどうかは議論が分かれるところだが、クラスの生徒は様々な国籍のルーツを持っている。と言っても、全員がスウェーデン生まれでスウェーデン国籍を有しているのだが、彼らの両親のバックグラウンドは実に様々だ。

様々なルーツを持った日本語クラスの生徒たち

日本語を学ぶ2年生と3年生(写真は筆者撮影)

 写真は2年生と3年生だが、真ん中にいる1人を除いて、両親かどちらかの親がスウェーデン外にルーツを持っている。

 そのルーツも、チリ、ポーランド、中国、サルバドール、セルビア、そしてアッシリアと多様だ。

 家庭内ではそれぞれの言葉で話しているという生徒も多い。

 そして調査によると、家庭内で別の言語を話している子供の方が、スウェーデン語の成績が比較的よい傾向があるという。また、複数の言語を話す子供ほど未知の言語の習得が早い、という調査結果もあった。

 そして、途中でドロップアウトせず2年、3年と継続して日本語を選択する生徒の率は、やはり他国のバックグラウンドを持つ生徒の方が高いようである。

 日本語を学習するきっかけも様々だ。

ポケモンやGACKTに魅せられ日本に憧憬

 昨年の卒業生のリネアに、どうして日本語を勉強するのと聞いた時に、こんなふうに答えてくれた。「小学校4年の時に『ポケモン』を見て、その冒険の世界に強くあこがれた。その時から、将来は日本語の勉強をして絶対に日本に行くと決めていたの」

 彼女は在学時、たった1人で上級のコースを学習して単位を修めた。現在はヨテボリ大学の日本語科で勉強している。春から慶応義塾大学に留学するようだ。