今年のロシアの冬は気紛れである。10月、11月はこの時期には珍しく大雪が降った。昨年10月の降水量は100年ぶりの記録とのことである。もっともモスクワの年間降水量は700ミリ、東京の半分である。大雨はもちろん大雪にも備えが良い街とは言えない。
モスクワの道路には排水溝がない
少しまとまった雨が降る、あるいは雪が溶け始めると道路は湖となる。それも当然である。今になって気がついたのだが、モスクワの道路の路側には排水溝がないことが多い。
そして12月は大寒波であった。最近のモスクワではマイナス20度まで冷え込むことは珍しいのだが、昨年はこうしたマローズ(寒波)の日が1週間近く続いた。
しかし、ロシアで寒波の日は天気は快晴、今にも落ちそうな低いところで弱々しいとはいえ太陽が輝いているのはありがたい。暗い雪の日よりもましである。
さて今回は年末恒例の全ロシア世論調査センターによるロシア版「ゆく年くる年」でロシアの世相を眺めてみよう。
まず2012年を振り返って、あなた自身、あなたの家族はどうであったかとの問いに対しては、「良かった」と答えるロシア人の割合はリーマン・ショック後に順調に改善傾向にあったのがやや足踏み傾向にある。国家にとってどうであったかについても、同様の傾向にあるのだが、何よりも「良かった」と答えた比率が個人に比べて著しく低い。