国有企業については、軍事関連を別格として、重要性の順にエネルギー、電力、通信、電子情報産業、自動車、重機械、電気、鉄鋼、海運、航空、化学、建築、非鉄金属、工芸、塩業、鉄道、農業、紡績、林業、投資などが続く。

豪シドニー近郊に「中国テーマパーク」、紫禁城や各王朝の建築様式も

夜の天安門〔AFPBB News

 これら序列の相似も決して偶然ではないだろう。

 恐らく、それぞれの分野には必ず「ドン」がいる。その人物を中心に、最低数十人の共産党幹部が「利益共同体」構成員として連なっている。

 こうした「ドン」たちが「大化け」すれば、中央政治局に入る。その典型例が「石油」「金融」「機械」などか。これが筆者の仮説だ。

 これらネットワークの中でどれだけ政治資金が動いているかは知る由もない。今の中国内政に最も必要なことは、反腐敗キャンペーンを繰り返すことではなく、権力者以外の第三者に権力のチェックを任せることと、早急に政治資金を透明化・合法化することである。

三反五反運動

 報道によれば、昨年の大晦日、第18期中央政治局は習近平総書記主宰で会議を開き、中央規律検査委員会の活動報告を聴取したほか、2013年の党風廉政建設と腐敗取り締まり活動について検討したという。

 同総書記は「反腐敗闘争の現状は依然として厳しく、少数の党員幹部は趣旨に対する意識が薄く、形式主義と官僚主義の問題が突出している。また浪費傾向が著しく、一部の分野では腐敗問題が多発し、幹部、特に高級幹部が違法行為を行っている」と指摘したそうだ。

 会議の結論は、「全党が腐敗と断固戦い、・・・処罰と予防の両方を推し進め、処罰管理と腐敗予防システム建設を全面的に推し進める」ことだという。この話を聞いていたら、60年前の三反五反運動のことを思い出した。

 三反五反運動とは1950年代初めの中国共産党による政治運動だ。「三反」とは、国家機関・国営企業に対する「反貪汚(反汚職)」「反浪費」「反官僚主義」の指針だが、どこかで聞いたことはないだろうか。

 「五反」とは当時の資本家・私営企業に対する、「反行賄(反賄賂)」「反偸税漏税(反脱税)」「反偸工減料(反手抜き仕事、反原料ごまかし)」「反盗騙国家財産(反国家財産盗取)」「反盗窃国家経済情報(反国家経済情報盗取)」なる指針だそうだ。

 これ以上は言うまい。建国直後から中華人民共和国は常に同じ問題に直面し続けた。この点は過去60年間、何一つ変わっていない。変わったのは不正と腐敗の「主体」だけではないか。2013年こそ、中国の一般庶民にとって良い年となりますように!