ニューヨーク(NY)にはビジネス、芸術、国際関係などさまざまな分野で世界中から人が集まる。日本人もその例に漏れず、周辺都市を含むとおよそ8万~9万人が在留していると言われる。
彼らのための情報として現地で発行される日本語の新聞・情報誌もさまざまだ。何事においても競争の激しい当地で、独自の取材で紙面を構成、創刊8年を経たフリーペーパー「週刊NY生活」のCEOであり取材者としても現地を飛び回る三浦良一氏に、創刊から今日までの足跡や紙面制作などについてきいた。
新聞を求める声に応えて創刊、通算400号を超える
――この6月に、創刊から通算400号を発行されましたね。
三浦 週刊NY生活を創刊する前、私は読売アメリカという新聞の記者、編集者をしていました。アメリカで発行される読売新聞に付属して現地のニュースを集め週1回発行した新聞です。これが867号で廃刊になりましたからようやくその半分近くです。
――なぜ週刊NY生活を始めようと思ったのですか。
三浦 さきほどの読売アメリカも廃刊になって、さてどうしようかと思っているときに、ニューヨーク在住のある公認会計士の知人から「三浦さんぜひ新聞やってください、応援します。デスクも貸しますから」と言われました。
ニューヨーク商工会議所の狩野務さんからも「やるなら間髪入れずにやった方がいい」とアドバイスされました。
そうか、現地の新聞を必要としている読者がいるんだな、と感じたのと、いまさらほかの仕事をできるわけでもなかったので、同じ読売アメリカで営業を担当していた久松茂氏と一緒に新聞を立ち上げることにしました。
とくにフリーペーパーを出そうという意識はなく、普通の取材をして記事にする、そういう新聞を出そうと思って始めました。
★週刊NY生活:米国生活に必要な情報を独自取材で届ける日本語無料紙として2004年1月に創刊。発行部数は2万部。ニューヨーク、ニュージャージー、コネチカット州の日系小売店、飲食店、学校などで配布。NY地区3州、オハイオ、ワシントンDCでは日本経済新聞とともに配達。NJとウェストチェスターでは朝日新聞にも折り込まれる。日本でも東京は、紀伊國屋書店東京大手町ビル店など数店舗のほか、横浜、大阪、福岡、札幌の店舗でも無料配布。有料の郵送定期購読も可能。