ロシアのコラプション(corruption;腐敗・汚職)については、これまでもこのコーナーで何度か書いた。
7月初めにサンクトペテルブルクで開催されたロシア経済フォーラムにおいても、ウラジーミル・プーチン大統領はロシア経済の今後取り組むべき優先課題としてコラプションの撲滅について力説したことからも、この問題が今後のロシア経済にとって重要な問題であることが分かる。
国民が不満を募らせる公務員の減らない汚職
また、7月12日に発表された世論調査機関レバダセンター(Levada Center)による「ロシア政府に対する注文」という世論調査でも、経済政策と並んで「自己利益のための不正行為」は回答の上位に位置づけられている。
特に前年との比較で見ると、経済政策に対する不満は景気回復に合わせて減少傾向にあるのに対し、公務員による汚職に対する不満は、前年22%ポイントから本年は29%ポイントと急増している。
ロシア国民にとっても自国の政府関係者による汚職の無法ぶりは目に余るということなのだろう。
コラプションと言えば、少し前のシティバンク・ロシアのリポート「Russia's rising middle class, 12 Jan 2012」の中に、このコラプションに関して興味深いチャートがあったことを思い出した。
上の図は、2011年における1人当たりの国内総生産(GDP)とトランスペアレンシーインターナショナルが毎年公表する汚職度ランキングをプロットしたものである。