今年、海上自衛隊の高官が長崎県の佐世保を訪れた際、たまたま薬局に立ち寄ったところ、「こころの栄養剤」と書かれた紙が置かれていることに気が付いた。
ドラッグストアなどでは、レジの横に「ご自由にどうぞ」というフリーペーパーがあることは珍しくない。
会計している間、なんとなく目を落とすと、「自衛隊」という言葉が目に入る。「なんだろう?」と思い手に取ると「子供たちの夢」と題され、次のような短い文章が綴られていた。
「ある方が、ボランティアで福島県の被災地に行った時のお話です。
それはクリスマス。子供たちにたくさんのクリスマスプレゼントを用意してその地を訪れました。
そして、プレゼントをあげる代わりに『みんなの夢を教えてください』。
子供たちは目を輝かせて教えてくれました。
その夢に、ボランティアスタッフ全員が驚いたのです。ほとんどの男の子たちの将来の夢は、みんな一緒だったんです。
それは、『自衛隊』
子供たちは目の前で大活躍してくれる自衛隊の人たちに憧れているんです。
子供ってやっぱり、大人たちの姿をちゃんと見てるんですね」
このペーパーには「No.98」と記されているので、こうして見つけられたのは全くの偶然・めぐり合わせと言うほかない。震災後も絶え間ない防衛・安全保障をめぐる問題の数々に対処してきた自衛隊トップにとっても、この出来事は文字通り「こころの栄養剤」になったに違いない。