ソーシャルメディア、特にフェイスブックのマーケティング活用を試みた結果として、「成果を得られない」という失望感を示す論調があることについて触れた(前回参照)。

 そしてその失望へ至る要因として、まずは活用目的の設定が不明確であることを挙げ、その整理としてフェイスブックの本来的な機能価値と活用目的について述べた。

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昨年5月、トヨタは米セールスフォース・ドットコムと提携し、「トヨタフレンド」という顧客向けSNSを2012年から提供すると発表した〔AFPBB News

 活用目的については、たとえ「売り上げを上げる」という最終目的があったとしても、それを達成するためにその手前に据えるべき目的(例えばブランディングなど)が必要であり、その“手前目的”がショートカットもしくは不適切な設定をなされていることが失望要因につながりがちであることを指摘した。

 今回は、もう1つの失望要因となり得る活用の「手法」について述べてみたい。

 「ソーシャルメディア(フェイスブック)マーケティングの手法とは何か?」と問われた場合、あなたならどのように答えるだろうか。

「フェイスブックページやツイッターアカウントを開設し、投稿を行う」

「フェイスブックページに興味をひくアプリ、例えば診断アプリを用意する」

「フェイスブック内でターゲットを絞った広告を配信する」

「いいね!(=ファン)をとにかくたくさん獲得する」

などというアクションが、列挙されるのかもしれない。

 それは、ソーシャルメディアマーケティング支援業務を標榜する企業やコンサルタントにおいても、あり得る答えだ。

 実はこれこそが、「手法」に関する錯誤の一端だ。