今回の目的は「恋愛と結婚の違い」を明確にしておくことです。次回からの結婚の問題点を知るうえで、恋愛関係までにとどまる関係、結婚までたどりつく関係の違いが分かります。

 恋愛と結婚の主な違いは以下の3つです。

(1) 保有期間の違い
(2) 契約書の有無
(3) 経済力の有無

恋愛と結婚の違い~その(1)保有期間

スワン、本当は浮気者? - オーストラリア

一夫一婦制の代名詞とも言われるスワンだが、実は6羽に1羽は不義の子だという〔AFPBB News

 連載の2回目で、恋愛関係は、お互いの資産価値を前提にした物々交換というふうに規定しました。好きになると相手を保有したくなる。自分も愛するから、相手からも愛してほしいと願います。

 精神的保有関係だけを意味したいところですが、実際には相手のすべてを保有したいと思うので、精神的保有に加えて物理的保有も行います。心もつながっていたい、いつも一緒にいたい、という願いですね。

 原則として、恋愛は「中期保有」です。「中期保有」の意味するところは、恋愛期間は1日以上、一生未満であるけれども、その恋愛関係は実際にはどのくらい続くか分からないという意味です。

 浮気・不倫の関係が短期保有であり、結婚が長期保有であると対比させると、相思相愛とは、浮気以上結婚以下の関係、ということです。

 中期保有の前提になっているのがお互いの恋愛感情で、お互いが好きでいる限り関係は継続されます。

 女の恋愛には、結婚が視野に入っている場合が多いです。前回申し上げたように女はセックスで失うものが多いので(生殖機会の提供は女が保有する最大の財産の1つです)、そのあとのことまで考えたうえでのことです。

 他方、男の場合には恋愛=結婚ではありません。恋愛と結婚とは別、というよりも、「彼女が好きだ」「彼女を手に入れたい」という気持ちが大半を占めて、その先のことは考えられないようです。

 何しろ男にとってはセックスがゴールですから。くどいているうちは結婚を意識しませんが、セックスという目的を達成した後に、結婚を考えたりします。