2月1日、エジプトで武装勢力の人質になっていた中国人25人が解放されたという。拉致されたのが1月31日だから、わずか1日のスピード解決だった。一方、その3日前の1月28日から、スーダンでも29人の中国人が拉致されている。可哀想に、こちらの方は2月2日現在も依然未解決のままだ。

 なぜ今、アフリカで、中国人労働者たちが立て続けに人質となるのだろう。この2つの騒動は偶然同時期に起きたのだろうか。今回は、最近エジプトとスーダンで起きた不幸な中国人拉致事件を比較しながら、最近「中国株式会社」が力を入れている「海外進出」の光と影について検証してみたい。

異なる2つの人質事件

ベドウィンが中国人技術者25人を拉致、エジプト

エジプトのスフィンクスの前を通るラクダに乗ったベドウィン〔AFPBB News

 二十数人の中国人拉致という点で両事件は確かによく似ている。しかし、筆者にはこれらが全く異なる2つの人質事件に思えてならない。この点をご説明するためにも、エジプト、スーダン両事件の事実関係をもう少し詳しくご紹介することにしたい。

 エジプトのケースはシナイ半島が舞台だ。地中海に面した同半島北部にはエル・アリーシュ(El-Arish)という美しい小都市がある。

 30年ほど前筆者が通りかかった頃はまだ小さな漁港だったと記憶する。当時はまさか、あの町が青い水と白い砂浜で有名なリゾート地に変身するとは思いもしなかった。

 事実関係は次の通りだ。カイロの中国大使館によれば、拉致された中国人は現地のエジプト軍セメント工場で働く作業員24人と通訳1人の合計25人。

 1月31日午前にバスで建設現場に向かう途中、現地の「ベドウィン」に拉致されたという。彼らを雇っていた中国企業名は今のところ報じられていない。

 犯人たちはエジプト政府に対し「拘束されている仲間・家族の釈放を要求した」とも報じられたが、2月1日未明、拉致された25人は一転全員が解放された。

 この間、中国外交部はエジプトに対し拉致された中国人の安全確保と早期解放、エジプト駐在中国企業・中国人の保護強化などを求めていたという。