米国ではアマゾン・ドット・コムの「キンドル」に続き、アップルがiPad(アイパッド)を発売し、電子書籍市場が急拡大し始めた。新聞や雑誌など旧来の「紙」媒体は苦境に追い込まれ、電子書籍へのコンテンツ供給など対応を迫られている。

iPad解禁!米国で販売開始

アップルが発売したiPad、初日で30万台突破〔AFPBB News

 日本でも若年層のインターネット志向に加え、リーマン・ショック以降の企業による広告費削減がマスメディア経営に深刻な打撃を及ぼしている。果たして「紙」メディアは消滅してしまうのか。それとも生き残りの方策を見つけられるのか――。

 グーテンベルク以来の活版印刷が電子媒体に取って代わられるだけでなく、主に「紙」の中で培われてきたジャーナリズム自体が変質するかもしれない。企業のトップや広報担当者、マスコミに詳しい学者ら7人に「私のメディア活用法」を聞きながら、これからメディアが進んでいく道を予測していただいた。

【お断り】JBpressのメールマガジン「Business Agenda」が2010年1~3月に連載した「私のメディア活用法」から抜粋し、編集したものです。

山中斉・住友生命保険広報室長
私のメディア活用法(1)

 起床後、自宅で購読中の2紙にざっと目を通す。NHKや民放のニュースを見ながら、午前7時過ぎに出勤。電車の中で日経新聞を読んでいるが、大きなニュースが発生した時は時事通信が携帯電話に流す速報サービスを重宝している。

 出社後、クリッピングサービス業者に依頼している新聞記事(全国紙ほか、住友生命が出ていればスポーツ紙も)の切り抜きに目を通す。部下がその中から必要なものを抽出するが、切り漏れていないかをチェックする。

 最終的に2~3枚にまとめて社内のイントラネットに載せ、午前8時30分までに本社や支社の幹部限定で閲覧可能にする。それとは別に、役員や企画部門など向けに20~30枚のクリッピング集をつくる。