全米で販売が始まったタブレット端末「アイパッド(iPad)」は好調なスタートを切ったようだと欧米の各メディアが伝えている。米国の調査会社パイファー・ジャフリーのアナリスト、ジーン・マンスター氏は、3日の販売初日には先行予約分も含めて60万~70万台が売れたと推測した。
アイフォーンの時よりも行列は長かった
米ダウ・ジョーンズが発行する週刊金融情報誌バロンズによると、同氏が確認したアップルの直営店20店舗のうち19店舗は初日の午後7時30分の時点で在庫が残っていた。
また同氏によると、ニューヨーク5番街の店舗では開店時の行列では730人が並んだ。
米アップルがスマートフォン「アイフォーン(iPhone)」の現行モデルを昨年の6月に発売した時の人数は350人、2代目モデルを2008年の7月に発売した時は540人だったので、アイパッドの行列はこれまでで最も長かったことになる。
しかし多くの店舗で顧客は待たされることなく、行列はすぐに消えたと米ウォールストリート・ジャーナルは伝えている。顧客はほとんどの店舗で午前11時頃までには製品を手に入れることができたという。
また翌日の日曜日は復活祭(イースター)のため多くの店舗が休みとなったが、営業していた店舗で在庫は十分に確保されていた。アップルが用意周到に準備してこの週末に臨んだことがうかがえるという。マンスター氏はこの結果を踏まえ、2010年の販売台数予測をこれまでの280万台から550万台に引き上げた。
ゲーム業界はビジネスモデルの見直しが加速
バロンズの別の記事では、このマンスター氏の見解などを引用しながら、アイパッドが今後どのようにほかの業界に影響を及ぼしていくのかを分析している。
それによると、ゲーム業界は今抱えている問題がさらに深刻化するという。業界は今、スマートフォン用の低価格ゲームや、ソーシャルネットワークの無料ゲームなどの台頭で売り上げが伸び悩んでいる。