私の友人の経営する会社で、高菜漬けを製造販売しているオギハラ食品(福岡県大牟田市)という会社があります。大正5年創業ですから100年続く老舗企業です。

 大牟田市は人口の急減が予想されています。三井三池炭鉱が最盛期の時に20万人いた人口が今では13万人にまで減少し、2035年には8万人になると予想されています。20歳から65歳までのいわゆる働く世代の人口も、現在の7万人から、2035年には4万人に減少することが予想されています。

 ちなみに、巨人の原辰徳監督のお父上が三池工業高校を率いて甲子園優勝を果たしたのは今から46年前の1965(昭和40)年のことです。当時の大牟田市の人口は19万人でした。

 このように確実に人口が減少すると予想されていますが、案外、地域の中小企業の経営者はのんびりしたものです。人口が減れば確実に売り上げは減るはずなのですが。

売り上げ増に向けたアイデアマン社長の様々な取り組み

 この漬物業界も、業界全体として売り上げが縮小する一途です。何せご飯に添えるものですから、ご飯の需要が減退していけば、漬物の売り上げも減ることになります。

 ところが、社長の荻原一利氏は優れたアイデアマンで、様々な工夫をしています。

 意外と知られていないことなのですが、高菜漬けの伝統的な作り方は、漬け込む時に塩とウコンの粉末を使うのです。二日酔いに効くというあのウコンです。私も全く知りませんでした。

 今まで高菜漬けを生産していた方にとっては当たり前のことなので、ウコンのドリンクや粉末が人気商品として売られるようになっても、「ウコン」という文字を高菜漬けのパッケージに大きく表示することはしませんでした。そんな中、荻原氏はパッケージに「ウコンで漬け込んだ」と表示し、健康に良い食品であるイメージを新たに打ち出しました。

 また、和食に使う素材としてこだわっていると売り上げのジリ貧は避けられないと判断して、ラーメンの具として使ってもらえるようにラーメン店への営業を始めており、ラーメン展などにも出展をしています。