海外留学する日本人が減っていると言われて久しい。同様に、若者が海外に旅に出かけることも少なくなっているという。

 <文科省によると、海外留学する日本人は2004年の8万2945人をピークに減少に転じ、08年は6万6833人で前年比11%減。高校生についても、08年は06年比18%減の3190人にとどまった。このため文科省は、高校生の留学経費支援や大学生の奨学金枠の拡大などを計画。短期留学(3カ月以上1年未満)する大学生を今年度(760人)の約4倍の3000人、高校生も今年度(50人)の40倍に当たる2000人に増やせるよう、来年度予算の概算要求に関係経費を盛り込んだ。

 (中略)

 リクルートが今春高校卒業の大学進学者約7500人から回答を得た調査によると、「留学意向なし」(40%)が「留学意向あり」(33%)を上回った。

 「留学意向なし」の理由(複数回答)は「費用が高いから」(48%)が最多で、次いで「英語(外国語)が苦手だから」(44%)だった。

 同社が発行する高等教育専門誌「カレッジマネジメント」の小林浩編集長は「これからは語学力を磨き、異文化に対応できる力が重要。早い時期から海外で経験を積むきっかけをつくるべきだ」と指摘している。>

 (毎日新聞、2011年11月7日、夕刊)

 同記事中では、高校卒業後に米国のジョージタウン大学に留学した経験を持つ中川正春文科相からの呼びかけとして、「若者は海外に飛躍して、元気な日本をつくってほしい」との言葉が挙げられていた。

 池上彰氏や尾木直樹氏などの識者も、学生の海外留学を奨励しているし、私も外国に行かないよりは行った方がよかろうと思っている。

 ただし、昨今の学生が海外留学やバックパッカー的な旅を望まないのは、「費用が高いから」や「英語が苦手だから」という理由だけに止まらない気もしているので、以下そう考える根拠を述べてみたい。