2日のNY市場、後半にかけユーロや資源国通貨は伸び悩む動きとなっている。ギリシャの国民投票を巡って市場は神経質になっているが、序盤は独仏、EUとギリシャの首脳会談が開催され、ギリシャが支援を受け入れるよう何らかの解決案が出るのではとの期待もあり、ユーロは買戻しが優勢となっていた。

しかし、後半にかけユーロは急速に伸び悩んでいる。要因としてはEU、IMFが国民投票の結果が判明しなければ、11月初旬に予定されていた第6回目の融資も実施しないと伝わったこと。そして、ギリシャ政府が今回の国民投票は第2次支援の是非を問うもので、ユーロ加盟維持についてではないと述べたことなどがあげられる。これについては、世論調査などから、ギリシャ国民は今回の第2次支援に関しては賛同しないという意見が多いものの、ユーロを離脱しドラクマに復帰ということになれば、否定的意見が多い。もし、ユーロ加盟の意思も同時に問う国民投票であれば、承認を得られる可能性が高いが、支援だけであれば、否決の可能性も高まる。その場合、ギリシャは完全にデフォルトということになり、金融機関を始め、世界経済への影響は計り知れない。

ユーロドルは1.38台から一気に1.37台前半まで下落する場面も見られた。豪ドルやポンドも同様の動き。一方、ドル円は78.00付近で相変わらず膠着していた。

◆FOMC、ニュートラルに通過
きょうのもう一つの重要なイベントにFOMCがあった。一部には追加緩和示唆への期待感も出ていたが、概ね前回の内容を踏襲している。ただ、エバンス・シカゴ連銀総裁が追加緩和を主張し反対票を投じていたことや、成長は7~9月期にやや強まったと、現況の景気認識を上方修正している。更に今回は経済見通しも発表され、成長見通しを大きく下方修正し、バーナンキFRB議長の会見でも、必要ならばMBS購入の選択肢もあると、追加緩和に含みは残している。

ただ、年内の緩和は無い可能性が高まったにも思え、マーケット的には、ニュートラルに通過した印象。

(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)