24日のロンドン市場でドル円は下値を試す展開となった。週明けの東京市場では76.40台まで反発していたが、その後はじりじり値を落としている。東京市場での安住財務相発言に加えて、五十嵐財務副大臣も「断固たる措置を取る」と為替介入を辞さない考えを示したが、上昇には繋がらなかった。市場では介入期待で短期筋はロングとの見方もあり、上値では売りが出やすいという。「くりっく365」を運営する東京金融取引所のデータによると、先週末21日のドル円の買い比率は93.5%と2008年3月以来の高水準になっており、上値では個人投資家も待ち受けている。ドル円はロンドン市場に入って76.05近辺まで下落した。

◆欧州圏内のPMIは50割れ、27ヶ月ぶりの低水準
ドイツ10月の製造業PMIは48.9と2009年9月以来の50割れで同年7月以来の低水準だった。また、ユーロ圏10月の製造業・非製造業PMIもともに50割れで、2009年7月以来の低水準となった。弱いPMIを受けてユーロは売られた。明日25日に向かえるフランス債の償還が155億ユーロ、利払いが120億ユーロあることもユーロには重石となったようだ。また、一部市場参加者内で、26日のEU首脳会議が延期されるとの噂も流れていたようだ。
ユーロの下落に連れて、スイスフランやポンドもドルと円に対して下落している。

Klugアナリスト 鈴木信秀