日米ジャーナリストの受け止め方はかくも違うものなのか。11月18日、オバマ大統領は4日間の初訪中を終え韓国に向かったが、一連の内外メディア報道に目を通して筆者が最も驚いたのは、日米主要紙の報道ぶりがあまりに大きく異なることだった。

 そこで今回は、誠に勝手ながら予定を変更し、こうした日米間の報道ギャップが生じる原因を(ちょっと意地悪く)検証してみたいと思う(「共産党幹部人事の研究」は次回以降取り上げることでご了解願いたい)。

オバマ訪中時に起きたこと

米中首脳会談、オバマ大統領「前向きで包括的な関係を」

北京で共同声明発表後握手する米バラク・オバマ大統領と中国の胡錦濤国家主席〔AFPBB News

 日米報道ギャップといっても、報じられた事実関係が異なるわけではない。日米主要紙が共通して書いているのは概ね以下の諸点だ。

○今回米国は対中戦略の見直しを行い、中国の人権、人民元、軍拡、チベット、北朝鮮、イラン等の懸案について従来以上に中国側に配慮していたこと

○これに対し、中国側はその経済力を背景に従来以上に自己主張を強め、諸懸案に関する米側の要求にほとんど応じなかったこと

○2010年に、胡錦濤総書記の訪米、第2回戦略対話の開催、国防省・軍首脳の相互訪問、人権対話などを行うことに合意したこと

○反テロ、宇宙、民間航空、食品・製品の安全性等の分野で協力を強化すること

○「1つの中国」政策を再確認し、戦略的に重要な諸問題を話し合うこと

○中国は内需・消費拡大、米国は貯蓄率向上と財政赤字削減に努め、マクロ経済政策で対話と協力の強化を確認したこと

○アジア太平洋地域と世界の安全につき米中が共通の責任を持つこと

○米中双方が自国の国情に基づき温室効果ガスの排出抑制に取り組むこと、等々