ヤンキースが9年ぶりの頂点 松井秀は6打点でMVPに、MLBワールドシリーズ

9年ぶりにメジャーリーグの頂点に立ち、大喜びのヤンキースの選手たち〔AFPBB News

 ヤンキースが9年ぶりにメジャーリーグの頂点を奪還した。ワールドシリーズで2008年の覇者フィラデルフィア・フィリーズとの東海岸対決を4勝2敗で制した11月4日、ニューヨークの街は喜びに沸いた。

 2009年竣工した新ヤンキースタジアムのバックネット裏特等席は1席2625ドル(約23万6000円)という超高級価格。その金満ぶりを本欄「バブルの遺産、ヤンキース新球場」で批判したのはシーズン開幕直後のことだった。

 当時の成績は振るわなかったが、主砲アレックス・ロドリゲス内野手が復帰した5月以降は、大枚はたいて集めたオールスター打線が爆発し、その勢いをしっかり維持した。

2009年竣工した、超豪華ヤンキースタジアム

 シーズン途中には、年間シート購入者を対象に、一部高額席を値引きするなど「条件付き値下げ」に踏み切る柔軟さも見せたヤンキース。グラウンドでは、ホームランバッターに加えて、三振を次々に奪える投手陣を並べた「アメリカ野球」の醍醐味で観客を魅了し、最高のフィナーレへと導いた。力業で押し切るプレーの良し悪しはともかく、エンターテインメント性は抜群だった。

 優勝翌日には、学校に通う子どもだけでなく、立派なビジネスマンまでもが濃紺の野球帽をかぶって出勤してきた。その興奮が冷めやらぬ11月6日金曜日には、気温8度の寒空の下、優勝パレードをマンハッタンで敢行。ビルの窓々からは大量の紙吹雪が舞い、10台の山車に分乗した選手・関係者らは至福の時を味わったに違いない。

ウォール街が起源の紙吹雪パレード

 優勝パレードの経路は、ブロードウェーの南端(有名な劇場街からは約6キロ離れている)を起点に、ウォール街を経由し、市役所までのわずか1.4キロ。

 実は、パレードとウォール街には深い縁がある。米国では優勝バレードを「ティッカーテープ パレード」と呼ぶ。株価情報や売買注文を自動的に印字するティッカーという機械から吐き出される紙がティッカーテープだ。