26日のロンドン市場は、揉み合いから円買いへと動きが転じている。序盤はバーナンキFRB議長の講演を控えてやや取引手控え気分が広がった。欧州株は下げて始まったが、ドル円77円近辺揉み合い、ユーロドル1.4450近辺へ上昇、ユーロ円は111円台前半での底堅い推移となっていた。しかし、欧州株が再び下げ幅を拡大、原油安、金上昇などリスク回避の動きが強まったことで、為替市場では円買いの動きが噴出している。ドル円は77円近辺から76.60台へと下落。ユーロドル1.44割れ、ユーロ円110円台前半へと急落した。ポンドもこの動きにつれて売られており、ポンドドル1.62台半ば、ポンド円124円台半ばへと急落している。リスク回避で買われることの多いスイスフランも対ドル、対円で軟調に推移している。市場では欧州ソブリンリスクを心配する声も上がっていた。フィンランド財務相は、ギリシャ支援担保合意の撤回は無責任、との考えを示している。まだまだ、ギリシャ支援をめぐる摩擦は続きそうだ。また、市場では注目のバーナンキFRB議長の講演を控えて、目先のストップ注文をつける動きもあったもよう。発言後の急激な相場変動に備えてリスクを軽減させる動きも散見されている。
◆英GDP改定値は予想通り、KOFスイス先行指数が下振れ
この日発表された英第2四半期GDP改定値は前期比+0.2%、前年比+0.7%と市場予想および速報値と一致する結果だった。ポンドは発表直後には買われる場面もあった。今月に入ってからの株式市場の混乱などを受けて市場では下方修正を見込む向きもあったようだ。速報値から変わらずとの結果にやや安堵感もみられていた。一方、8月のKOFスイス先行指数は1.61と市場予想1.80を下回った。また、7月のデータは2.04から1.98へと下方修正された。この結果にはスイスフラン売りの反応がみられた。ドルスイスはロンドン序盤に0.7890レベルまで下げていたが、発表を受けて0.79台に乗せている。リスク回避で買われやすいスイスフランだが、さすがに自国経済見通しの悪化には売りで反応した格好だった。
(Klugシニアアナリスト 松木秀明)