米雇用統計の非農業部門雇用者数は、月ごとの振れが大きく、市場への影響力も大きくなっている。5月分は市場予想比で上振れ(マイナス幅は縮小)となり、早期利上げ観測を誘発。6月分は市場予想比で下振れ(マイナス幅は拡大)となり、米景気「V字型」回復説に大きなダメージを与えた。

  そして今回7月分は、▲32万~▲33万人前後の市場予想中心に対し、実際に出てきた数字は▲24万7000人で、米景気回復に関する強気ムードに拍車をかけることになり、株高・債券安・ドル高の材料になった。

  非農業部門雇用者数は、今回で19カ月連続の減少となり、過去最長記録を更新した。ただし今回の▲24万7000人という減少幅は、2008年8月(▲17万5000人)以来の小ささである。雇用者数の減少ペースは均してみても緩やかになってきており、後方6カ月移動平均は4月の▲64万5000人をボトムに、3カ月連続でマイナス幅を縮小してきている。

  また、米労働省の発表資料は、5~7月平均である▲33万1000人は11~4月平均である▲64万5000人のだいたい半分だ、という書き方をしている。