独立記念日の関係で2日木曜に発表された米6月の雇用統計は、弱い内容。米国景気の本格回復がまだ遠いことを、市場に印象付ける結果になった。
6月の非農業部門雇用者数は▲46万7000人で、市場予想中心を大きく下回る数字。4・5月分の修正は小幅だった。雇用者数のマイナス幅が縮小する流れが今年2月から5月まで、4カ月連続で続いていたが、今回停止した。5月分は今回改定値で▲32万2000人。これは、「リーマン・ショック」が起こった昨年9月分の▲32万1000人と、ほぼ同じ数字である。ショックの影響が一巡した後、米国の雇用情勢は元の緩やかな悪化軌道に復しつつあるように見える。
この間、失業率は9.5%に上昇。前月からの上昇幅は0.1%ポイントにとどまり、失業保険受給者総数の減少が示唆していた線に沿って、悪化ペースは鈍化した。だが、バブル崩壊で過剰供給能力が問題視されており、米企業CEO(最高経営責任者)は雇用に慎重姿勢。しかも、失業率は景気の遅行指標であることから、ホワイトハウスのギブズ報道官でさえも「今後2~3カ月で10%に達する」という見通しを口にせざるを得ない、厳しい状況である。