8日のロンドン市場で円は一段高となった。昨晩のバーナンキFRB議長の米景気に対する慎重姿勢を背景にドル円は東京時間から売られ、ロンドン時間に入って79.69近辺と先月5日以来1ヶ月ぶりの水準までドル安円高が進んだ。つれてクロス円も下落し、カナダ円は3月18日以来の81.20台、豪ドル円は先月5日以来の84.40台、ポンド円は先月16日以来の130.40台まで一時売られた。NY原油先物の時間外取引は98ドル台前半で軟調に推移、欧州株式も下落しており全般的にリスク回避的な値動きとなっている。
ロンドン時間に入って円高を推し進めた一因はポンド円の下落。格付け会社大手ムーディーズのシニアアナリスト、サラ・カールソン氏は英国の経済成長が引き続き弱く、政府が財政赤字削減目標を達成できなければ最上級である「Aaa」格を失うリスクがあるとの見解を指摘したことが伝わりポンドは一時急落した。ポンドは円やドル、ユーロなど幅広い通貨に対して売られた。ユーロに対しては3月22日以来の水準まで下落している。
◆豪ドルは明日の豪雇用統計前に手仕舞い売り
豪ドルは本日一日通して弱く、豪ドル円は主要通貨ペアで一番下落している。明日発表の豪州5月の雇用統計前に手仕舞い売りが入っているという。豪ドル円は東京早朝の85.90台を高値に84.40台まで下落、豪ドルドルは同じく1.0720台を高値に1.0580台まで値を落とし、豪ドル/NZドルは1.3070台から一時1.2960台まで下げ幅を広げた。
Klugアナリスト 鈴木信秀