6日の東京市場は、ドル安水準での揉み合いが続いている。ユーロドルは早朝に1.4659レベルと1ヶ月ぶり高値水準を付ける場面があった。しかし、取引時間の大半は1.36台前半での揉み合いになっている。ポンドドルも同様に1.64台半ばから前半での推移。また、ドル円は80円割れ見通しも広がっているが、ここまでは80.17-80.40の狭いレンジでの推移。日経平均は先週末のNY株式が下落したことや、東電が一時ストップ安となるなどの影響で売りが強まり、9400円割れとなった。
先週末の米雇用統計が予想以上に悪化したことで米景気回復への懸念が広がりドル安圧力となっている。また、ユーロにとってはギリシャへのEU/IMF融資第5弾が実施される見込みとなったことが好材料だった。加えて、5日のポルトガル総選挙で野党が勝利し、早期に連立政権が組成されるとの見通しが安定政権樹立への期待となっていた。また、FRB理事候補のダイアモンドMIT教授が指名を辞退した、と報じられていたが、相場の反応は限定的だった。米雇用統計の一大イベントを通過、中国や香港市場が休場になったことなどで市場には模様眺め気分が強かった。アジア市場が本格的に始動するのは明日からとなる。
◆視線はECB理事会に
本日はカナダを除く主要経済指標の発表予定はなく、やや材料難となっている。そのなかで今週は各国の政策金利発表が相次ぐことが注目材料となっている。あす7日には豪中銀(RBA)が政策金利を発表する。クイーンズランド州の大洪水の影響で第1四半期の成長は前期比マイナス成長となったが、小売売上が予想以上の伸びを示すなど内需の回復も示されている。下半期にかけての利上げ示唆があるか注意したいところ。また、9日には英中銀とECBの政策金利発表がある。いずれも据え置き見通しでコンセンサスがとれている状況。ただ、市場ではトリシェECB総裁会見で今後の利上げ示唆があるかどうかに関心が集まっている。ユーロドルの上昇がどこまで進むのか、ECB理事会前に調整は入るのか、ユーロ相場の動向が引き続き注目となろう。
(Klugシニアアナリスト 松木秀明)