12日のNY市場はリスク回避の動きが一服している。特に好材料が出たわけではないが、原油や株式市場が反発したことで、為替市場も同様の動き。円相場は円安の動きからクロス円は買戻しの動きが見られ、ユーロや資源国通貨もショートカバーが出て、ドルは売られる展開となった。ただ、戻りは鈍い印象で、調整の調整といった雰囲気から、自律反発が中心。

ドル円は80.70近辺に下落後、81.00近辺まで戻す動き。ユーロ円は114円台前半から一時115.50近辺まで一本調子の上げも見せていた。

◆ユーロドル、反転も強い動きは見られず デットクロス示現
ユーロドルは1.4130近辺まで下落し、サポート水準として意識された1.4150の水準を下回っていたが、1.42台後半まで戻す動き。ただ、1.43台は回復できずに上値を抑えられている。以前見られたソブリン系などのまとまった買いは出てきていないようだ。本日の動きでユーロドルは10日線と21日線のデットクロスが示現している。

ファンド勢もユーロのロングポジションは維持しているようだが、ギリシャの格下げ以降、だいぶ減らしているとの調査も出ていた。ギリシャ問題については、債務再編は是が非でも避ける方向にあるが、追加支援の代償としてのEU、IMFからの厳しい要求に、ギリシャが素直に応えられるかが焦点。ギリシャ問題に関しては来週のEU財務相会合の成り行きを待つのみのようだ。一方で、利上げ期待は依然として高く、きょうもECB理事からの利上げ示唆の発言が出ており、7月利上げの可能性は高そうだ。

(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)