中国人の不動産投資が米国で問題になっている(写真はテキサス州ヒューストンの住宅)

 やはり中国は侮れない――。

 そう思わざるを得ない状況がいま、米国内の住宅市場で起きている。

 というのも、中国の住宅購入者が米国の不動産を買い漁っており、米中間で新たな衝突の火種が生まれているからだ。

 中国人は2022年だけで、米国の中古住宅に61億ドル(約8500億円)を投じたことが分かっている。

 この額は他のどの国よりも多く、過去数年、増加傾向が続いている。

 中国人による不動産購入の平均額を眺めると、2022年は1件あたり100万ドル(1億4000万円)を超えており、過去最高を記録した。

 全米不動産協会が公表した報告書によると、2015年から20年までの外国人による米住宅購入者の中では中国人がトップにきており、約14%を占めていた。

 ここで少し想像して頂きたいのは、異国の人間に自国の不動産をどんどん買われていく状況である。

 所有する土地や家屋の周辺を中国人が買い占めていったとしたら、どう思われるだろうか。

 米国は移民によって成長してきた国だが、中国による性急ともいえる最近の米不動産購入は、米市民に深刻な危機感を抱かせている。