(山田 珠世:中国・上海在住コラムニスト)
サッカーの中国男子代表は2月1日、2022年カタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選・第8戦でベトナムに3-1で敗れ、W杯出場の可能性が完全に消えた。中国はこれまでベトナムに負けたことがなかったことから今回は“歴史的な敗北”とも言え、中国のサッカーファンに大きな衝撃を与えた。
「予言が現実になった」「だからベトナム戦は見たくなかった」「中国男子サッカーは終わりだ!」。ベトナム戦が終わると、チャットアプリ「微信(WeChat)」のモーメンツ(投稿を友だち同士で共有する機能)には、これらのコメントとともに、かつて中国代表だった範志毅氏が2013年にインタビューを受けた際の映像がずらりと並んだ。当時、中国がタイに5-1で惨敗した後に、範氏が「次はベトナムに負け、その次はミャンマーにも負けるだろう」と語ったときの映像である。
予言は的中し、中国は本当にベトナムに負けてしまった。しかも、7戦全敗で最下位だったベトナムに始終リードされ、目も当てられないほどの“惨敗”だった。
2月1日は奇しくも中国の旧正月。中国全土のサッカーファンが、家族でベトナム戦のテレビ中継を見ており、中国代表に失望した。