「預金なら安心」って本当なの? 「元本保証」って、実際に何を保障してくれるの? 実は、現金にもリスクが潜んでいるのです。本連載ではそんな「現金のリスク」を切り口に、お金のほんとうの価値を守るための資産運用について考えていきます。今回は、有名な株価指数である「日経平均株価」と「NYダウ」の違いについて見ていきます。
高値更新をするNYダウと、回復にとどまる日経平均、その違いの理由は?
さて、時々、お客様から以下のようなご質問をいただくことがあります。
「NYダウは高値を更新するのに、日経平均は、ナンで“回復”にとどまり、NYダウのようにいかないのか? どちらも、アメリカと日本を代表するインデックスでしょう。もう、日本は、経済も国としても見込みがないのか?」
という具合に、日米のインデックス、つまり株価指数の比較から、日米の経済力の違いにまで、質問が発展してしまうのですが。
もっとも、国の行く末を占うのは、何も株価だけではないのですが。
日本 | アメリカ | |
---|---|---|
市場 | 東京証券取引所第一部 | ニューヨーク証券取引所/ ナスダック |
上場銘柄数 | 2,180社※ | 3,366社/3,133社 |
世界に占める 時価総額シェア (米ドル換算) |
6.9% | 25.3%/16.7% |
代表的な インデックス |
日経平均株価、TOPIX | NYダウ、S&P500 |
2020年5月31日時点(※のみ2020年10月31日時点)
世界に占める時価総額シェアだけで比較をしても、やはり、アメリカ株式に心が傾いてしまいそうですね(by筆者)。
NYダウ(ダウ工業株30種平均)と、日経平均株価。アメリカと日本、それぞれを代表する株式市場のインデックスです。なぜ、「高値更新」と「回復」という表現の差異が生まれてしまうのでしょうか?
やはり、アメリカと日本の経済力の違いなのでしょうか? それとも、経済を含めた、それぞれの国の行く末を占うものなのでしょうか?
日米のインデックスの違いを見つめれば、日米の経済力の違いをもまざまざと見せつけられてしまう、そんな理解になるのでしょうか?
NYダウと日経平均の違いは、もちろん、アメリカと日本の経済力の違いもあるでしょう。しかし、「経済力の違い」だけが、インデックスの差異の原因とは言い切れないでしょう。
NYダウと日経平均の最大の違いは、「銘柄を採用する基準」ではないでしょうか?