DCの加入者になったら運用指図をしないという受け身の姿勢は禁物です。選定された各商品の仕組みを理解し、ご自身の運用スタイルに合わせた運用指図をしましょう。
10年後 | 20年後 | 30年後 | 40年後 | |
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運用利回り3%(年率) | 419 | 984 | 1,748 | 2,778 |
運用利回り2%(年率) | 398 | 884 | 1,478 | 2,203 |
運用利回り0% (運用指図なしを想定) |
360 | 720 | 1,080 | 1,440 |
(単位:万円/千円以下切り捨て)
「スイッチング」と「配分変更」の違い
DCの運用中に、投資環境や年齢の変化、運用方針の見直しなどに応じて運用商品の変更が必要になることがあります。その場合、スイッチングと配分変更の2つの変更方法があります。
リバランスなどに使える「スイッチング」
スイッチングとは、今まで運用していた商品の一部または全部を1度換金し、別の商品の購入資金にあてる変更方法です。換金時の値上がり益は非課税になります。運用当初の分散比率に戻すリバランスや、積極運用から安定運用に一気に切り替える時などに有効な変更方法です。
スイッチングの回数は、法令では「少なくとも3カ月に一度運用指図ができること」と定めていますが、「毎月可能」など個々の運用管理機関で異なります。またスイッチングしただけでは、毎月の掛金で購入する商品は変更されません。
細かな調整に向く「配分変更」
一方、配分変更では、毎月の掛金で購入する商品の変更や、購入比率の変更ができます。ただし、すでに購入済みの商品は変更されません。配分変更は、一気に変更をかけるスイッチングに比べ、運用スタイルを細かく調整するのに向いた変更方法かと考えます。
2つの変更方法をリスク許容度や運用方針の変更などに合わせて、上手に活用していきましょう。
離職や転職をした際は、年金資産を移管できる
離職や転職した場合、確定拠出年金で積み立てた年金資産を持ち運ぶことができます。持ち運びのパターンは以下の3つです。
① 企業型→企業型
② 企業型→個人型(iDeCo)
③ 個人型(iDeCo)→企業型
「→企業型」の場合(①、③)は、転職先の企業が企業型DCを導入している必要があります。転職先の企業がDCを導入してない場合や離職して自営業者などになる場合は、②のパターンになります。
どのパターンにおいても移換の手続きが必要です。移換に際しては、移換前の運用管理機関が手続き締切日を決めています。締切日を超えると国民年金連合会に自動移管されてしまい、現金として保管されます。自動移換時に事務手数料、自動移換後4カ月目から毎月の管理手数料がかかり、いままで運用した年金資産の目減りに繋がります。
離職や転職をした時は、上記に示した3パターンの移換手続きのどれかを忘れずに行いましょう。
スイッチングや配分変更を活用し、賢く老後資産を形成
DCは加入者が運用指図を行う私的年金制度です。運用指図を行わないという受け身の姿勢は禁物。個々の商品内容を理解することはもちろん、スイッチングや配分変更などの運用方法を活用して賢く老後資産を形成していきましょう。