人生100年時代の到来によって、「まなび」「仕事」「余暇」や、そのどれにも属さない時期が混在する複線型の人生へのシフトが現実味を帯びてきている。働き方改革の流れを受けて就職・就労の形態も変化しつつあるなか、早稲田大学は人生のマルチステージに対応しうる、多様な「まなびの場」づくりにチャレンジしている。

 ここでは同大学が展開している社会人向けの教育プログラムのうち、学位取得を伴わないオープンプログラムから2つの取り組みを紹介する。

WASEDA NEO
―ビジネスに活かせる最先端のまなびと交流の場

2017年秋より、日本橋駅直結のCOREDO日本橋にオープンした「WASEDA NEO」。現役のビジネスパーソンを対象に、ビジネスに活かせる最先端のまなびのプログラムを提供するほか、異業種の仲間との交流や「働きながらまなぶ」ことをめざしたコワーキングスペースを提供している。

まなびと交流を得られる会員制サービス

 交流の場やワークスペースとして利用できる「コミュニティラウンジ」、最先端を走るパイオニアたちの価値観や世界観に触れる年10回の「パイオニアセミナー」、また会員発案のワークショップを不定期で提供するのが会員制サービス「パイオニア・コミュニティ」だ。「パイオニアセミナー」には、面白法人カヤックの柳澤大輔氏やSHOWROOMの前田裕二氏など、時代のキーマンが自身の言葉で熱のこもったメッセージを発信し、講師からの問いをきっかけに参加者同士での対話をおこなうスタイルが特徴だ。異年齢、異業種での対話は毎回白熱したものとなり、講師との距離感の近さもあって毎回満足度の高いセミナーとなっている。

早朝から夜間まで、
異業種・異年齢がつどうプログラム

 WASEDA NEOでは、社会やビジネスシーンで注目されている最先端のトレンドをいち早くプログラム化しており、その受講形態やテーマ設定も様々で、誰しもひとつは自分の関心あるものが用意されている。

 早朝に開講(7:20~8:20パン・コーヒー付き)する「日本橋ブレックファストセミナー」では、その日からすぐに職場で使えるポータビリティスキルなどをまなびながら、前向きにまなぶ意欲を持った方々とのコミュニティに参加できるのが特徴だ。様々な年代・職種のビジネスパーソンがつどって共にまなんでいる。早朝の時間帯でのセミナーにもかかわらず参加者はいきいきと受講する姿が見られ、始業前のリフレッシュや活力にもつながっているという。

 夜の時間帯には、ビジネスシーンで話題のテーマなどを扱うセミナーを定期的に開催している。1回限りのものから、複数週の決まった曜日と時間帯で複数回通う講座もある。そのテーマ設定の特徴は、最新のビジネスの知識やスキルのみならず、人生において重要な視座や価値観の共有など、ビジネスパーソンが“いま”まなぶべき内容であることだ。最新のテクノロジー・経済・ビジネス、人生100年時代におけるキャリア、アート&デザイン、リーダーシップなど、多彩なジャンルの講座を提供している。

 また、数か月にわたって特定のテーマをまなび体得する「履修証明プログラム」も提供している。履修証明プログラムを修了した方は、学校教育法にもとづき履歴書にも記載可能な「履修証明書」を得ることができる。

 これらのWASEDA NEOのプログラムを1回完結型で気軽に体験できる「ミニワークショップ」も人気だ。仕事帰りの1時間でビジネスに活かせるちょっとしたティップスをまなびながら、異業種の仲間との交流ができるとあり、まなびのスタートの場として魅力がある。1時間1,000円(税抜き)からで気軽に参加できるため、気になるものがあれば参加されてみてはいかがだろうか。

 つづいて「早稲田大学オープンカレッジ」を紹介する。

早稲田大学オープンカレッジ
―教養教育のさらなる充実を目指して

 創設のわずか4年後の1886年に「講義録」の発行を開始した同大学の「ユニバーシティ・エクステンション」の理念を受けつぎ、1981年より開講している公開講座。年間2,005講座、のべ43,232人が受講する国内大学最大規模のオープンプログラムである。4年間の会員制(会費8,000円)を採っているが、興味のある講座だけを単発で受けたいというニーズにこたえビジター制度も用意されている。早稲田、八丁堀、中野の3校舎を拠点とし、平日の昼夜だけでなく土曜日にも多くの講座を開講しているので現役で働く人も通いやすい。

 早稲田大学オープンカレッジの魅力は、なんといっても多種多様な講座ではないだろうか。年間2,000クラスをこえるプログラムは歴史、文学、芸術、心理学、ビジネス、語学など多岐にわたっており、広い世代のニーズにマッチしやすい。また、歴史、文学、哲学、経済学や心理学など学生時代にまなんだ伝統的な学問を、当時とは異なる視点で近年の学術データをもとに同大名誉教授や同大教授などからまなべることも人気の一因となっている。

 興味のある講座(1講座4回以上のセット)を1回90分あたり2,700円(一部講座のみ3,600円、いずれも税別の会員価格)で受講できるとあって、継続的に通い続ける受講生が多い。所属組織の補助が無くても受けやすい価格設定であるため、初めて学習を開始する人にも適している。また、従業員にまなびのきっかけを与え学習意欲を促し、社外で新たな知見や人脈を得て、ゆくゆくはイノベーションを起こせるような人材を育てたいと考える企業や団体などの組織単位での要望にも応えるため、十数年前より「法人会員制度」をととのえ、組織単位での受講推進をサポートしている。

 また近年では、「今さら人には聞けない教養」を広くまなぶことのできる「社会人のための必修教養講座シリーズ」を平日夜間と土曜日に開講、土曜日1回限りの講演会「サタデーレクチャー~早稲田の杜の教養シリーズ」を4半期に3回、年間12回のペースで開講するなど、更に社会人がまなびやすい環境を追究しつづけている。

ポータルサイト「まなびのコンパス」
―社会人のまなびのロールモデルを掲載

 早稲田大学には他にも大学院が主催するオープンプログラムなどがある。同大学のオープンプログラムの情報はポータルサイト「まなびのコンパス」で見ることができる。講座のリポートや受講生のインタビュー記事なども掲載されているため、「何かを学んでみたい」とお考えの方は一見されてはいかがだろうか。


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