「時間」がある限り、現実は静止しない。記憶はその現実を映像として蓄積し、映画会社やテレビ局は、記憶を再構築、再現してきた。
そして今、テクノロジーの進歩で、報道、娯楽といったメディアが作り出す表現の外側に、新たな映像利用が拡大している。その手段を担うのが、オンライン・ビデオ・プラットフォームという業態だ。
彼らは、メディアのように自己表現はしないが、コミュニケーションの発信者と受け手を結びつけ、映像コミュニケーションの多様化を支える存在となるだろう。
オンライン・ビデオ・プラットフォームとは
オンライン・ビデオ・プラットフォームは、スマートフォンやテレビでも見られるような映像エンコード、広告プラットフォームとの連携、決済システムなどを、コンテンツ発信者に提供する。
オンライン・ビデオ・プラットフォームの最大手は、アメリカのブライトコーブで、世界中で2700社、日本でも150社の顧客と取引している。ブライトコーブは、映像をメディアとして活用することをサポートする。
「映像配信への広告出稿が今後の成長のカギを握る」。須賀正明ブライトコーブ・バイスプレジデント
日本では、映像エンコード時のクオリティ、プレイヤーのカスタマイズなどハンズオン的なサービスが好まれる。ただ、クオリティを放送と同じレベルまで求めても受け手がいなければコミュニケーションは成立しない。
「ネットのコンテンツビジネスは、ユーザーが求めているものを使いやすく提供しないと成功しない」。横地俊哉・ミルモ社長兼最高経営責任者(CEO)