キリンチャレンジカップ2019、対ベネズエラ戦で指揮を執る日本代表・森保一監督(2019年11月19日、写真:西村尚己/アフロスポーツ)

(後藤 健生:サッカージャーナリスト)

 2022年ワールドカップ・カタール大会に向けてのアジア2次予選を戦っているサッカー日本代表は、11月14日に行われたキルギスとのアウェー戦に2対0で勝利。4戦全勝という成績で年内の予選の日程をすべて終えた。

 2次予選はクジ運にも恵まれて格下相手ばかりだったので「首位通過」は当然のことだが、4試合のうち3試合がアウェーという厳しい日程の中で引き分けもなしの4連勝。しかも4試合無失点というのは素晴らしい成績だ。アウェーではピッチコンディションが悪く、日本得意のパスサッカーが展開できないことも多いからだ。

 直近のキルギス戦も、あちこちで芝生がはげたグラウンドに悪戦苦闘。そして、地元観衆の前で思い切って攻め込んでくるキルギスの攻撃を受けて再三ピンチに見舞われたものの、日本代表は流れが悪い時間帯には自陣ゴール前に壁を作って跳ね返し、PKとFKからの2得点で勝利を手繰り寄せた。

 2次予選残りの4試合は2020年3月に再開するが、モンゴル戦以外はすべてホームでの試合なので、このまま全勝・無失点を続けていってほしいものだ。

ベネズエラに大敗した日本代表

 さて、キルギスから帰国した日本代表は11月19日にパナソニック スタジアム(大阪・吹田)での南米ベネズエラとの親善試合に臨んだが、なんと1対4という信じられないような大敗を喫してしまった。この試合はあまり代表での出場機会のない選手などが出場した影響もあったが、なにしろ1対1のボールの奪い合いで完全に劣勢では勝負にならなかった。

 一方、U-22日本代表も11月17日に広島でU-22コロンビア代表と親善試合を行った。2020年の東京オリンピックに出場して金メダルを目指すチームだ。オリンピックに向けた準備を本格化するため、これまで年齢制限のないA代表で活躍していた堂安律や久保建英もU-22代表に合流。先月には“サッカー王国”のブラジル相手にアウェーで勝利したU-22代表に堂安、久保が加わったので大いに期待されたのだが、コロンビアには完敗を喫してしまった。

 ベネズエラとの試合も、コロンビアの試合も、同じような負け方だったことが気になる。ワールドカップ予選で格下とばかり試合をしている中で、球際の勝負のところに緩みが出たのだろうか。