今から1年後、日本では衛星放送だけで合計20チャンネルが見られるようになる。最近買ったテレビならば、さらにスカパーで40チャンネル近く見られる。合計60チャンネルが、ケーブルテレビに加入したり外付けの機械を購入したりしなくても手軽に楽しめる。

テレビ放送の競争激化へ

 そのうち、無料で見られるのは10チャンネルを超える。1テラ1万円のハードディスクをつなげば、オンデマンド視聴でき、大体3カ月くらいは各局の好きな番組を録り続けても支障ない。

 インターネットに関係なく、放送だけでもコンテンツの競合が増え、視聴行動はオンデマンドになる。いつの時代もコンテンツへの需要は減らないだろうが、時間編成への需要は減る。

 メディアビジネスの成長が見込めないとなると、コンテンツ資産のレバレッジを利かす、つまりマルチユースモデルに成長を懸けるしかない。

 米国の大手テレビ局は、1日で一番人がテレビを見る時間帯にドラマを放送して知名度を上げ、その後国内、海外へそのドラマを販売する。放送を自社コンテンツのプロモーションツールと捉え、海外市場を含めてコンテンツを販売する。

 テレビ局傘下のネット配信サイトは月額見放題サービスを導入し、映画レンタルのネットフリックスもストリーミングサービスを月額有料で提供する。放送後のマネタイズプラットフォームが成長している。

 インターネットの映像ビジネスでは、ディマンドメディア(DemandMedia)というCGMコンテンツの制作企業が今年1月に上場、グーグルは動画コンテンツを制作するネクスト・ニュー・ネットワークス(Next New Networks)を買収した。