トランプ氏、米大使館エルサレム移転の意向表明 6日に演説へ

中東エルサレム旧市街のユダヤ人居住区の建物に掲げられたイスラエル国旗と、その向かいに立つアルアクサ・モスクの「岩のドーム」(2017年12月5日撮影)。(c)AFP/THOMAS COEX〔AFPBB News

 2017年12月6日、予測不能なトランプ大統領の衝撃的な発言がまた世界を揺るがすことになった。米国大使館を現在のテルアビブからエルサレムに移転するという声明である。

 1995年に米国議会で「エルサレム大使館法」(Jerusalem Embassy Act)が可決してから22年経つが、クリントンからオバマに至る歴代の大統領が、いずれも決定を先送りしてきた。その問題にケリをつけようというわけだ。「アメリカ・ファースト」のスローガンのもとに、前政権の政策を否定し独自色を出すことに差別化の源泉としているトランプ大統領ならではの決定である。

イスラエルにとっては大きな贈り物

 だが、選挙公約の実現としてエルサレムをイスラエルの首都と認めるという方針は、寝た子を起こしてしまったといってよい。

 エルサレムはユダヤ教、キリスト教、イスラム教にとっての聖地である。それを考えれば、イスラーム諸国だけでなく、イスラーム世界を肌身をつうじて知っている欧州各国が英国も含めてトランプ大統領の決定を批判するのは当然だ。

 トランプ大統領になってから、自由貿易に関する「TPP離脱」、環境問題に関する「パリ協定離脱」といった「離脱」が続いてきたが、それに加えて、新たに「移転」が大きな問題として浮上してきたことになる。