メンターとの出会いが人生を変える
最近、四半世紀前に私にとってビジネスのメンターだった方が亡くなられた。当時のクライアントの財務・IT担当専務で、業者である私に向き合い、「ビジネスとは何か」を身をもって示して下さった。
ある中堅オーナー企業の大番頭であり、オーナーを支え続けた仕事人生の中で素晴らしい見識と人品を備えていらした。
昔はそういう日本人が少なからず存在したのである。人にはそれぞれの才能がある。私の才能など取るに足らないものだが、どんな才能も、それを開花させるメンターが存在する。
「いやいや、私個人の努力や力で今の成功がある」という人を時々見かけるが、少し考えが足りないか、相応の苦労をもって考え直す機会がこれからあるのかもしれない。
メンターとは、師匠のようなものだ。イチロー選手には仰木監督、高橋尚子選手には小出監督、小澤征悦氏にはバーンスタイン、かつてのタイガー・ウッズにはブッチ・ハーモン、枚挙にいとまがない。
スポーツ以外にも、芸術、学問、ビジネスに至るまで、こうした関係性は存在していて、ある専門性を磨く際の「基本的な姿勢」を時間をかけて教え込むという共通点を持つ。メンターがいることで、本人はその持てるポテンシャルを開花させ、その人なりの大輪の花を咲かせるのだ。