米国の市場調査会社、ガートナーがこのほど公表したリポートによると、今年7~9月期のスマートフォン世界販売台数は3億5300万台となり、1年前から15.5%増加した。
新興国が世界スマホ市場を牽引
これに先立ち同社が公表していた今年4~6月期のスマートフォン販売台数は3億3000万台だった。この時の前年同期比伸び率は13.5%で、これは2013年以降で最も低い水準と同社は報告していた。
これと比べると7~9月期は、台数、伸び率ともに改善が見られた。
ガートナーによるとその要因は新興国市場の伸び。新興国市場に投入された低価格のスマートフォンがフィーチャーフォン(従来型携帯電話)からの買い替えを促し、市場全体を牽引したという。
7~9月期における新興国市場のスマートフォン販売台数は2億5970万台で、1年前から18.4%増加した。一方で成熟国市場の同じ期間の販売台数伸び率は8.2%にとどまった。
サムスン、首位維持もシェアは低下
7~9月期のメーカー別販売台数を見ると、最も多かったのは韓国サムスン電子で、その台数は8359万台(市場シェアは23.7%)。これに次ぐのが米アップルの4606万台(同13.1%)。
このあと中国ファーウェイ(華為技術)の2726万台(同7.7%)、中国レノボ・グループ(聯想集団)の1744万台(同4.9%)、中国シャオミ(小米科技)の1720万台(同4.9%)と続いている。
このうちサムスンの台数は1年前から14.6%増と、市場全体の伸び率を下回った。またその市場シェアは同0.2ポイント低下。
サムスンは7~9月期に前回からわずか4カ月の期間をおいて新たな旗艦モデルを市場投入したが、これは同社製高価格帯端末の需要が低下していることへの対応と、画面サイズが大きくなった「iPhone」への対抗だと、ガートナーは指摘している。