米アマゾン・ドットコムが、商用ドローンの飛行区分について提言を行ったというニュースが話題になっている。
これは7月28日に、米航空宇宙局(NASA)がサランシスコのベイエリアで開催した無人飛行機(UAS:Unmanned Aircraft System)に関するカンファレンスで、アマゾンのドローン配送システム担当幹部が発表したものだという。
輸送用の高速飛行ドローンは専用空域で
それによると、アマゾンは高度200フィート(約61メートル)から400フィート(約122メートル)の範囲を、60ノット(時速111キロメートル)以上の速度で飛ぶ輸送ドローンの専用空域として定めることを提案している。
また400フィートから500フィート(152メートル)までは、500フィート以上を飛ぶ一般航空機との衝突を回避するための緩衝空域とし、飛行禁止にする。
一方で高度200フィート以下は、調査や撮影、趣味などを目的として局所を低速で飛ぶドローンの空域にすることを提案している。
英ガーディアンによると、アマゾンは、高度200~400フィートを飛ぶことのできる輸送用高速ドローンの条件として、自立飛行型で、安全対策が施されたものに限定すべきとも提言している。
これには、高度なGPS追跡システムや、他のドローン、鳥、建物、電線などの障害物との衝突を回避するシステムを備えることが必要だとしている。
「Amazon Prime Air」の実用化促進
米シーネットや米ウォールストリート・ジャーナルなどの報道によると、アマゾンは商用ドローンの規制策定に関与することで、現在研究開発中のドローン配送システム「Amazon Prime Air」の実用化を迅速に進めたい考え。
というもの米国では、ドローンの飛行が増え続けており、航空機との接触や、都市部、住宅地域における落下の問題が懸念されている。先頃はカリフォルニア州の山火事現場に持ち主の分からないドローンが飛び、上空からの消火活動の中断が余儀なくされたというニュースがあった。