第2部~第1章 クリーンエネルギーとは? 前回までの第1部・第1章、第2章
クリーンエネルギーとは、自然界に存在する太陽、風、水、波、地熱、バイオマスなどをエネルギー源とするエネルギーです。その特徴の1つは、燃料として利用される際にCO2を排出しないクリーン性です。
いざ主役の座へ、化石燃料より安く
例えば、電気を作るために太陽光や風力を利用しても、燃料としてはCO2を全く出しません。
一方、バイオマスは燃料として燃焼される時にCO2が発生するのですが、バイオマスとして育成される段階でCO2を吸収するため、排出するCO2を相殺するカーボンニュートラルと見なすことが一般的な考え方となっています。
2つ目の特徴は、エネルギー源が自然界のものですので、太陽光が地球に降り注ぎ、風が吹き、川が流れ、波が打ち寄せ、マグマが活動し、植物が育つ限りにおいては、その資源は無尽蔵にあり、何度も再生が可能です。つまり、無限のエネルギー資源なのです。
そして3つ目の特徴として、これらのエネルギー源は自然の恵みですので、太陽、風、波、地熱などは燃料としてはコストがかかりません。
つまり燃料コストがゼロなので、石油や天然ガスのように価格が乱高下することもなく、過去の石油ショック時の様に、燃料価格の高騰によってインフレが起こり、国の経済や人々の暮らしに悪影響を与える心配はありません。
2008年の石油価格は、7月に1バレル145ドルまで上昇しましたが、12月には最安値の1バレル35ドルまで下落しました。2008年は金融危機が発生したとはいえ、実に1年で4倍以上価格が変動しました。
CO2を全く出さない太陽光、風力、地熱発電
ただしバイオマスに限っては、木くずや穀類の藁など農林残渣を除いて、その育成には農耕地の開発・肥料・水・燃料費などのコストがかかります。
バイオマスの育成コストは、将来、土地や水などのコスト上昇要因もありますが、同時にバイオマスの収穫率の改善も見込まれており、先に紹介した石油に代表される化石燃料の価格変動に比べ安定的と考えられます。
一方、前近代的な大量生産・大量消費型社会を支えてきた石炭・石油・天然ガスなどの化石燃料は、クリーンエネルギーとは対極的な特徴を持っています。
特徴の1つ目は、化石燃料は燃焼する時にCO2を発生します。ここで、電気を作る際に、それぞれ異なる発電方式によってどれだけCO2を排出するか見てみましょう。
このグラフは、電気を1kWh作るために燃料を燃焼させる際に排出するCO2量を示しています。先ほど述べましたクリーンエネルギーである太陽光、風力、地熱は、当然CO2を発生しません。