CES(Cosumer Electronics Show)への展示企業は3000社を超える。展示会場では、ド派手な大手家電メーカーのブースだけでなく、スタートアップ企業の小さなブースを廻るのも楽しい。

CES2013展示会場のスタートアップ企業コーナー(著者撮影、以下同)

 主催団体の全米家電協会も大企業でイノベーションは生まれないと考えたのか、今年は特に小さなブースが増え、スタートアップコーナーは巨大になっていた。

 そんな小さなブースに展示されているのは、技術的にスゴいものからiPhoneアクセサリー的なアイデアガジェットまで千差万別だ。

 あまり理屈を述べてもしかたがないが、色々廻ったなかから少し整理して紹介したい。

センサーの低価格化でリアルなファクト情報が自動で集積される

 まず、センサー系のサービスから。

 センサーを搭載した機器同士がコミュニケーションを取り、そのデータを管理するというサービスは、Machine to Machine(M2M)と呼ばれ、既にタクシーの配車、工事現場の車両管理、工場の在庫管理など主にエンタープライズ分野で成長している。経営効率化やコストの削減につながるのだ。

 そのセンサーが低価格化すると、B2Cビジネス的なアイデアも実現する。今回紹介するNetatmoのように気候情報やガーデニングに生かしたり、スマートフォンの位置情報を利用して、自宅を出たら自動で電気が消えるといったアイデアが展示されていた。

 今後はそういったマジメなものだけでなく、ガジェット的なものがどんどん出てくるだろう。とにかく、リアルファクトを自動計測し、何かに活用するのが基本だ。

 iPhoneが発売された頃、米国にWazeというスタートアップがあった(今も存続している。日本語サイトはコチラから)。そのWazeは、ハイウエーで出勤中のドライバーがスマートフォンで現在の交通状況の画像をアップロードし、みんなで共有するというサービスだった。

 Wazeは人力でファクト情報を共有した。一方、Netatmoは機械が自動でそれを行う。センサーがリアル情報を自動で集めるのだ。こうしてインターネット上の情報だけでなく、リアルな情報もデジタル化され共有されていく。

 以下に紹介するスタートアップはそうした文脈に位置づけられるサービスである。

Netatmo

Netatmoのセンサー機器とアプリ画面

 フランスのNetatmoは、家庭用気候観測装置。自宅の気温、湿度や天候などを記録、インターネットで共有する。

 使い方は簡単。円筒状の装置を買って、屋外と屋内に置くだけ。その装置はWiFiでインターネットと繋がるようになっている。自宅の記録をスマートフォンでチェックできる。