既得権益が複雑に絡み合った問題をどう解決するか。正面切って「これだから日本はダメなんだ」と、様々な問題を論って批判することは大切ではあるけれども、実は最も効果の薄いやり方でもある。既得権益者が言われれば言われるほど強い防御姿勢を取るからである。
日本のゴミ収集がいかに非効率的で規制緩和の必要があるか前回リポート(「ゴミの分別などおやめなさい、そして国際化を~外国人に大人気のゴミ処理業、明るく孤軍奮闘」)したが、ここでも同じことが言える。
この記事に登場してもらった白井グループでも、日頃からその点は強く感じていた。では、解決方法が全くないかと言えばそうではない。
境遇の悪さを嘆くだけの者にはチャンスの女神は決して微笑まないが、必死で解決策を探し求める挑戦者には道を用意している。
白井グループは、実にユニークな方法を考え出した。
事業ゴミの量は長引く不況のせいもあってこの1年間で15%も減ったという。さらにゴミ収集料金は20%ほど下げざるを得なかったそうだ。事業ゴミの収集業者にとってはそれこそ死活問題と言えるのだが、白井グループはここに目をつけた。
「ゴミ収集のレンタルシステム」という方法を考え出し、事業ゴミ収集業者全体が効率的な配車を行うことで、この仕組みに参加する収集業者すべてが利益を出せるようにしたのだ。ゴミ収集車1台当たりの利益率は多ければ40%にもなるという。
これぞ日本企業の底力。汗と努力とアイデアの賜物と呼べるかもしれない。詳しくはぜひ以下をお読みいただきたい。