4日の東京市場は全般的に様子見ムードが広がり、値動きに乏しい展開となった。ドル円は輸出企業の売りが入り、小幅値を落としたが10銭程度の値幅に留まっている。昨晩乱高下したユーロドルも50ポイント程度の値幅で、1.38台前半を中心にもみ合っている。今晩の米雇用統計やG20首脳会議の最終日、ギリシャ内閣の信任投票に加えて週末ということもあり、手控えムードが広がった。日本株やアジア株は堅調に推移しているが、為替市場への目立った反応はなかった。

一部報道によると、ギリシャのパパンドレウ首相は、国内外から強い批判を浴びている国民投票の実施を断念し、本日の信任投票で野党の新民主主義党(ND)の支持が得られることを条件に、退陣する意向を固めた。ただし、ND党首は協力を拒否する姿勢を鮮明にしており、信任投票の行方は流動的。野田首相によると、ファンロンパイEU大統領から「国民投票は選択肢としてなくなった」との説明を受けたという。
一方、ギリシャ問題はイタリアに拡大しており、ベルルスコーニ首相は閣内からも、改革案に対する同意を取り付けられずにいる。イタリア国債は連日売られており(金利は上昇)、市場の警戒感は強まっている。昨晩からの流れは一旦のリスク回避一服となっているが、まだまだユーロ圏債務危機は終わりそうもなさそうだ。

Klugアナリスト 鈴木信秀